人は政治的存在である

先日20歳の若者が事業所を訪ねてきた。国会議員事務所のインターン学生とのこと。今どきの若者はますます政治離れが進んでいて、飲み会などで少しでも政治的な発言をすると途端に場の空気が一変するというような記事をよく目にしていたものだから、会う前から興味津々で滞在時間のほとんどこちらが質問しまくっていた。聞けば政治に興味を持ち始めたのは中3の頃からとか、きっかけは国会中継等で見た政治家の質の悪さを見てからとのこと。その時なぜこのようなことが起こるのだろうという素朴な疑問が立ち上がり、高校進学後は生徒会活動等ますます政治への関心が膨らみ続け、そして今回のインターン応募に至ったようである。

なかなか頼もしいの一語に尽きる。

社会構造に関心を持ち、その中で自他の関係性を整理し自分の立脚点を確立する。そういった作業を若いうちに積んでおくことは大変意義深いことと思う。本来なら正規の教育課程で修養すべき内容である。私は民主的な社会を構成する一員としてどのような資質が必要であるかは、教育システムで提示できるものと考えている。否、いやしくも民主主義国家を標榜するのなら国家の義務の一つである教育の最重要課題として民主主義教育を置くべきである。

維新以後、とりわけ戦後の日本はその点に関しては熱心に進めてきたとおっしゃる向きもあると思うが、経験上9年間の義務教育課程の中でそのような内容を指導してもらった記憶はない。教師の大抵は「空気を読め」「出しゃばるな」「いろころ言うな」「和を乱すな」等まともに生徒の意志を聞き取ることはなかったと思う。ましてや集団の中で自らの意思を言葉を以て表出し、他者との協調を図ることの意義を教室で聞いたことはなかった。

思想の傾向が固まる前に適切な民主教育を施す。そうなれば彼みたく素朴に政治的関心を抱く若者も増えてくるはずである。当然投票率も上がるであろう。

令和4年8月29日

ケアマネ矢田光雄のひとり言

福岡県北九州市小倉北区真鶴にて「小倉ケアプランセンター」というケアマネ・ヘルパー事業所を経営しております。 こちらでは日々のひとり言をつぶやいております。

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