ケアマネは見た
今回はケアマネ以外の方には分かりにくい内容になる。
ケアマネはアセスメントシート(課題分析表)の項目に生活歴、ジェノグラムなど本人、家族に関する情報を入力する(しなくてはいけない)。数人の家族の聞き取りをするとほぼその一族の家族史が出来上がる。それぞれの人間関係もある程度見えてくる。人は個体においても千差万別、夫婦、親子など複数になればその複雑性は増し、一族ともなればそこは他人にとってはもうミステリーワールド、恐ろしくてなかなか近寄れない筈だ。
そこに飛び込み、要支援者を取り巻く諸問題に対応しなさいとケアマネの各テキストはその必要性を説く。この問題はどこに根源があるのか、親子の関係性の不調の起因はいつ?などと当たりをつけておく等々。驚いたのはあるケアマネ研修で本当にあったことだが某講師は事例提出者に「介護者である息子の病歴は?どんな薬を飲んでるの?」と立て続けに質問していた。当の提出者は大わらわである。そんなこと考えもしなかったからだろう。私でもそうなる。まるでサンドバック状態である。誰が、このような方法論を思いついたのだろう、少なくとも現場経験を積み上げた結果ではなかろうと思う(思いたい)。
時間に制約のある民間のケアマネはできるだけ業務内容を必要最小限に抑え、仕事の効率化をはかる筈である。私は部下にそのように指導している。100点満点を目指す部下など(いないけど)いたら、「ちょっとあちらの部屋に」コースである。迷惑なことこの上ない。たまに他所でそういったケアマネさんに出くわす。昔は褒め倒していたが、最近は「迷惑よ」と嫌われること覚悟でご注進に及んでいる。
ケアマネの仕事は広範囲の知識を必要とする。制度に関わることはもちろん、福祉、医療、障害、精神、心理、法律、行政、歴史、もちろん世間一般に広がっている流行り、トレンドなども拾っておいたほうが話の接穂には役に立つ。労働時間は限られている。ケアマネに必要なのはお勉強の時間。それがまずは第一。
0コメント