本当にこのままで良いの?
介護人材不足への対策の一つとして国は施設における人員配置を緩和する方向で検討中とのこと。当然人員不足は発生するがそこはITの活用、介護ロボットの導入、証書類の簡略化等で補うとの算段のようである。相変わらず肝心の介護人材不足問題そのものにはあんまり目がいっていないようにも受け取れる。先のブログでも述べたが、現在の介護業界における人材不足は政策の失敗だと思っている。介護保険制度を作った優秀な官僚が、そこで必要とされる人的資源の総量を見誤るということはない筈である。需要は膨れるのだからそこで必要とする労働量も当然予測は立つ。労働人口そのものの減少というのも理由にはならない、それもわかっていたことであるから。本当はもう少し緩やかに流入減にしようと目論んでいたのかもしれない。見込み違いはコムスン事件により社会の福祉に向ける目が厳しくなったため、政策上もともとあった抑制策へのシフトが加速したということだろう。
で、案の定2005年の改定で潮目が変わった。これ以後国は介護にかかる費用の抑制にはっきりとカジを切った。保険制度発足後わずか5年のことである。お上もなかなかえげつないことをされる。期待はその熱量が大きいほど失望の度合いは強まる。介護業界への人材の流入は一気に減った。恐らく信用を取り戻すことはできそうにもない。
これから起こるであろう現実は、破滅的な人材不足による介護崩壊から始まる社会の融解である。
それを回避すべく、優秀な官僚が何らかの処方箋を描いているものと、私は、期待しているのだが。
令和4年6月2日
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